静岡県立朝霧野外活動センター
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チムヂュラサ(美しい心)



本屋さんで「沖縄オバァ烈伝番外編 オジィの逆襲」(双葉文庫)というタイトルの本が目にとまった。体調の良いときだとすぐにその前を通り過ぎてしまうものだが、その日は何だか吸い寄せられるように手に取ってレジに運んでしまった。
内容は沖縄のオジィがいかにドジで、真っすぐで、心美しく、憎めない存在であるかが滔々と書かれており……面白い本であった。通勤電車の中で読むには、うたた寝するのと同じくらい十分に暇つぶし効果のある本であった。
ただし、時々まどろんだ頭をハッシと打たれるような箇所に出くわしては目を覚まされる本でもあった。
その中の一節……辺野古の「基地反対」派のオジィは言う『この海があったから、みんな貧乏でも暮らしていけた。海がなくなれば、辺野古のまごころはどこかにいってしまう』と。
私は自然や環境のモンダイについては結構関心を持っている方だと思い込んでいたが、オジィのように生活の中で身体にしみ込んだ切実な体験を持っていないと言うことを強く考えさせられた。
オジィが必要としているのは、ただ美しい自然環境ではなくて、美しい自然が育んでくれる人間関係のことを言っているに違いない。私はここで頭のてっぺんを金槌で殴られたような気がした。そして、目から火が出るような痛みを心に感じながら『辺野古はひとつの家族さあ。オジィの戦いは、辺野古の心を守ることだから』と言うオジィの言葉に、人はどんな所でも生きてゆくことが出来るだろうけれど、豊かな美しい自然の中で生きてゆくことを選択するに違いない。それは、美しい自然環境が良い人間関係を育んでくれるのだということを私たちが密かに知ってしまっているからだと思った。

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