静岡県立朝霧野外活動センター
指定管理者:日本キャンプ協会グループ
〒418-0101 静岡県富士宮市根原1番地 TEL 0544(52)0321 E-MAIL asagiri@camping.or.jp

職人気質



ある寿司屋の主人が「わたしらは修行してタタキあげた職人だから、ちゃんとした寿司しか握れないし、お客さんに本当に旨いものを食べて欲しいと思っている。今流行りのマヨネーズで和えたネタを使ったり、アボガドやバナナを巻いたのなんてとんでもないことだよ」と呟く。若いころから寿司屋に見習いに入り、厳しい修行時代を耐えてきちんとした寿司を握ることを身につけたおやじの嘆きだ。 
磨き上げられた腕で洗練された手順で寿司を握る、この手で只管よいモノを握りたいと考えている職人は新しい寿司屋チェーンの外道のネタが許せないのだ。
 しかし、今時の人たちは上等の正しい寿司も食べたいけれど、寿司モドキもお気楽でいいじゃないかと考えているように思える。人々はある時は本物を志向するし、ある時はまがい物を楽しむものだ。まがいものしか食べない人たちが増えることは寂しいけれど、“もどき”や“らしき”を通過点として本物の良さが分かるようになるのならそれはそれで好いことだと思う。
 翻って、野外活動の分野で考えてみると、キャンプの職人を自認する指導者は結構多いと思われる。この職人たちの現代キャンプ観はどのようなものであろうか。キャンプはかくあるべきと云って、従来からのやり方を守り抜くタイプの人もいるだろうし、今の時代にあったやり方を求めてマヨネーズを和えてみたりアボガドを巻いてみたりする指導者もいるのかも知れない。
 美味しいものや楽しいものを提供したいという思いは変わらないのだけれど、○○はこうあらねばならないという思いを貫き通すために「近頃の客は口が肥えていなくて・・・」と嘆いたり、無理矢理オレ流を押し付けるより、「俺の寿司を食べたら、もう、もどきの寿司は食えなくなるよ」というくらいの職人になりたいものだ。

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